本文庫は平井さんのご好意により寄贈されたスペイン関係の貴重な文献の所蔵のために作られた。感謝に耐えない。
広く研究者や活動家に利用してもらうべく私たちは準備を進めているが、ここに文献目録を掲載する。
蔵書寄贈にあたって
今回、文献センターに、夫のスペイン関係の蔵書を寄贈させていただくことになり、この上なく嬉しく思っています。
夫とスペインのかかわりは大学時代に始まり、色々な紆余曲折を経てスペイン市民戦争というテーマに辿り着いたようです。また、その後、エスペラント運動を通じて、マンガーダ将軍とエスペラント中隊「アンタウエン」について関心を深めました。歴史としてその中隊の存在が広く信じられていたのですが、その真実を求めて、スペイン、バルセロナに一年余り滞在し、研究と研鑽を重ね、その報告を「エスペラントの世界」に連載して頂きました。それを夫亡き後、2003年6月、遺稿集「バルセロナ日記―――カタルーニャとエスペラント」として出版していただきました。
こうした研究のために収集した書籍が、その主亡き後、埃にまみれながら自宅の本棚に眠っていたのですが、どうしても捨てる事が出来ませんでした。 それ程の重要な資料でもないと思うのですが、今後、スペイン市民戦争について関心を持たれた方がおられるなら、利用していただけないだろうか、といった気持ちが長く私の心に残っていたのです。
手紙や古い雑誌のコピーなどは散逸しなくなっていますが、寄贈させていただいた本が、少しでもお役に立てるなら、これ以上の喜びはありません。平井倭佐子
【平井征夫(ひらい・ゆきお)略歴】
HIRAI Jukio(Dil Avia)
1944年、旧満州奉天市生まれ
大阪外国語大学中退
1974年、エスペラントを学習開始
スペイン・バルセロナ大学に留学
スペイン語通訳(大阪府第643号)
訳書『歌っておくれ、ビオレッタ』
2002年、9月歿(58歳)