文献センター小史

1970年10月に設立(第1次)の後、休止時代を経て、95年に活動を再開(第2次)。現在は第3次(2005年~)。

〈文献センター設立関係の資料〉
●第1次
設立の経緯(尾関弘「現代のアナキズム運動」より)

「日本アナキズム研究センター」 (尾関弘「現代のアナキズム運動-青年アナキストの武者修行記」(三一新書/1971年)より抜粋)

現在CIRA(スイスにある-引用者註)に集められている新聞、パンフレット、書籍類は、ほとんど1939年以降のものである。とくに各国の群小グループの、ミニコミ的な機関紙やパンフレットの類の収集量においてすぐれている。それが、CIRAの特徴となっており、それらミニコミ類は、他の図書館、たとえば大学図書館などがいくら金をかけても集められないものである。そのため、CIRAの利用者は、いわゆる学究的な目的を持った人よりも普通の活動家が圧倒的に多い。そこにCIRAの存在意味がある。

しかしCIRAにはまた、いくつかの貴重な文献が残されている。エリゼ・ルクリュやネットロウ直筆の原稿、エマ・ゴールドマンがアメリカで出していたアナキズム新聞「マザーズ・アース(母なる大地)」も全号保存されているが、そのなかには幸徳秋水が直接寄稿した論文や、大逆事件を報じた号などもあって興味深かった。またスペイン革命に関する資料も豊富である。それも革命のさなかに、闘うことを日常としている人々によって作られたビラやポスターやパンフレット類である。それらは、スペイン語わからないぼくにとっても、そられを眺めているだけで、スペイン革命が何であったかを伝達してくれるだけの十分な迫力があった。無数のありとあらゆるビラやパンフレット類は、革命が一朝一夕で実現されるものでなく、これら無数のビラやパンフレットの一枚一枚にこめられた人民の情熱が総和されてはじめて、革命が射程に入ってくるのだと語りかけてくるようである。

〈五月革命〉に象徴的にみられるように、状況が思想よりはるかに先行している今日、新しい運動を創出する新しい理論と思想の構築は、ヨーロッパのみならず日本においても緊急の課題である。そのためにもCIRAの果す役割はますます大きくなっていくだろう。それにしても、そのような重要な仕事が、今のように、ミハイロフ夫人をはじめとする少数の個人の、ひじょうな献身によって支えられている状態に、ぼくたちが甘えてよいわけはない。日本に住むぼくが、精一杯彼女の仕事に協力、連帯するためにも、同じような目的をもつ研究センターを日本にもつくることを考えた。
日本に帰ってからしばらく、ぼくはこの夢にとりつかれていたが、最近になってようやく数人の仲間の協力をえて、静岡県の富士宮市にそれを建てることに決まった。名前も「日本アナキズム研究センター、CIRA=NIPPON」(※引用者註)とすることにした。CIRAの名を使うことによって、日本のアナキズム文献だけでなく、外国の文献・資料もCIRAを通じて借り出そうと思っている。

※現在は「アナキズム文献センター、CIRA=JAPANA」と呼称。

●第2次
文献センターが活動を再開します/94.12(PDF版)
文献センター通信・リベーロ 第1号/95.2.15(PDF版)
文献センター通信・リベーロ 第2号/95.5.15(PDF版)
文献センター通信・リベーロ 第3号/95.8.15(PDF版)
文献センター通信・リベーロ 第4号/95.11.15(PDF版)
文献センター通信・リベーロ 第5号/96.3.15(PDF版)

●第3次
「文献センターとは」>「文献センター通信」をご参照ください。

【資料】
〈目録〉
所蔵文献目録(欧文文献目録/1976年/日本アナキズム研究センター/PDF2.5M)
所蔵文献目録(邦文単行書目録-アナキズム関係/1979年/日本アナキズム研究センター/PDF1.2M)

なお、現在新しい目録を作成中です。まとまり次第、こちらのサイトで順次公開していく予定です。
また、目録作りに協力してくれる方も募集中です。