『すべての囚人は政治囚である』(1975年/リベーロ社発行)公開

60年代後半〜70年代のアメリカで、「刑務所内革命家・法律家」として、囚人の権利と自由のために、獄中にありながら様々な活動を展開した黒人アナキスト、マーティン・ソスター(1923〜2015)。彼が1975年に発表したパンフレット『すべての囚人は政治囚である』(1975年/リベーロ社発行)の日本語訳を公開します。当時のアナキズム文献センターに設けられていた国際通信部(CIRA NIPPON国際通信部翻訳)による翻訳です。

1970年のジョージ・ジャクソンの死、そして翌年9月のアッティカ刑務所暴動という一連の出来事を受け、囚人支援、また刑務所内の構造的な差別や暴力・抑圧に対する抗議運動が、アメリカ各都市に広がっていきますが、アッティカ刑務所を含め複数施設での服役経験を活かし、刑務所制度の問題を鋭く追及し続けてきたソスターの著作や活動は、運動の拡大・深化に大きく貢献するものでした。現在の#BLACKLIVESMATTERや刑務所廃絶を求める運動の歴史的・思想的な背景を理解するためにも、ソスターが残したテキストを今読み直すことには、大きな意味があると考えます。

なお、このパンフレットが発表される2年前の1973年に、ソスターはアメリカの政治囚としては初めて、アムネスティ・インターナショナルの「良心の囚人」に認定されています。それを受けてさらなる世界的な広がりを見せたソスター支援の動きは、米政府・ニューヨーク州にとっても無視できない圧力となり、1976年にソースターは釈放を勝ち取りました。

『すべての囚人は政治囚である』 [PDFファイル](13.2M)


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