時期が遅れてしまいましたが、恒例のアナキズムカレンダー2019年版を刊行いたしました。テーマは「近藤憲二没後50年〜三代で継いできた近藤文庫」。堺利彦・為子、近藤憲二・(堺)真柄、そして近藤千浪と三代に渡り、ときに自分たちのものを二の次にしてまで、守り抜いてきた貴重な資料、特にアルバムをメインに紹介しています。
これまでは初期社会主義、アナキズム、婦人運動と個別に紹介されてきた資料を「近藤文庫」という枠組のもとに広く写真を使用、また近藤憲二を中心とした人物たちが実際に書いた文章も多く収録しました。
「このアルバムは父が『大杉榮全集』をつくるにあたり集めた写真を、その後の村木さんの獄中病死、古田さんの処刑、和田さんの獄中縊死、と相次ぐ身近な人々の裁判闘争と死に忙殺された中で取敢えず貼ったような、まさにスクラップブックで、日付けも、名前も記されていない。いま、それを見るとスクラップブックそのものが何か無言の訴えをしているような思いがしてくる」(『捨て石埋め草 近藤千浪遺稿集』より)